成長期の子供(10~14歳)によく起こる病気としてオスグッド・シュラッター病(以下オスグッド病)というものがあります。
症状としては膝のお皿の少し下の骨の部分が膨らんで押すと痛みを発したり、走ったりジャンプしたり屈伸運動をすると痛みを感じるのが特徴です。
オスグッド病は成長痛だから成長が止まると治ると勘違いされている方は結構います。
しかし、オスグッド病は成長痛とは関係ないと現代の医学では言われています。
今回はオスグッド病と成長期の膝の痛みについてハッキリさせていきたいと思います。
<オスグッド病とは>
オスグッド病は使い過ぎによる成長期のスポーツ障害の外表格です。
成長期は急激に骨が成長するが筋肉や腱は同様に成長しません。
その為に体のバランスが崩れ筋肉や腱が硬くなってしまいます。
膝に付着している大腿四頭筋(太もも前部)の柔軟性が低下すると、走ったりジャンプなどの繰り返し動作による牽引力が膝に加わります。
成長期の膝(脛骨結節部)には骨が成長するために必要な骨端核というものがありますが、大腿四頭筋による強力な牽引力によって骨端核の発育が阻害されます。
この状態がオスグッド病です。
・オスグッド病になりやすい子供の特徴
*激しいスポーツによって使い過ぎている
*運動前後のストレッチ不足
*体が硬い
*片方の足に負担がかかっている
*同じ動きをよく繰り返す
<オスグッド病と成長痛は関係ない?>
オスグッド病は成長期に起きることから、しばしば成長痛と混同されます。
しかし、オスグッド病は成長痛と違う特徴があります。
それは、オスグッド病には骨の変形がみられるという事です。
また、運動などで同じ動作を繰り返すことによって症状が悪化したり、痛みが慢性化しやすく20代になっても症状が続く事もあるのが成長痛との違いです。
・そもそも成長痛とは?
成長痛は3歳~10歳までの子供に発症しやすい原因不明の足の痛みのことです。
痛みが起こる部分には腫れはなく短時間で痛みが治まる事が多いです。
成長痛は成長期で骨が急激に伸びる為に、痛みが出ると思っている方もいると思います。
しかし、医学的には骨や関節に異常が出たから「成長痛である」とは言えないようです。
一定時間子供が痛がるけれど、骨や関節に異常がみられないという症状に診断される事が多いみたいです。
なので身長が急激に伸びなくても成長痛が発生することがあります。
<オスグッド病の治療>
オスグッド病は成長期を過ぎると、腱付着部位の炎症が自然と消えていきます。
なので一番大切なのは炎症状態が治まるまで安静にすることです。
しかし、オスグッド病になりやすいのは激しいスポーツをやっている子供が多いので、それをストップさせるのは酷な話です。
ですので、悪化させない対策としてスポーツ後に患部をアイシング(15分程)させ炎症を抑えてあげる事が肝心です。
そして、運動前後のストレッチ(特に大腿四頭筋)を徹底させ、テーピングやサポーターで患部を保護してあげていると悪化は防げ、自然治癒力も上がってくるでしょう。
治療院で電気治療や直接硬くなった筋肉をほぐし、体の歪みを矯正する事も治りを早くする効果があります。