本日5/20日、黒田投手が阪神戦で復帰しました。
前回登板後の診断では頸部神経恨症と右肩痛と報道されていました。
しかし、頸部神経恨症という病気はあまり聞きなれないですね。
なので今回は頸部神経症についてまとめてみました。
<頸部神経恨症とは>
頸部神経恨症とは、頚椎が変性することによって神経恨が圧迫されたり刺激されたりして起こります。
頚椎症(首の骨や関節などが変形したり痛んだりして起きる)が根本原因になると言われています。
頚椎症によって変形した骨や関節が首から出る神経恨を圧迫して頸部神経恨症になります。
脳から下りてきている神経は木の根っこのように枝分かれして手や足の方に向かっていきます。
この神経の根っこ(神経恨)の通り道を変形した骨が邪魔することによって起きます。
・頸部神経恨症の症状
*肩甲部、腕、手指の神経痛、シビレ
*天井を見上げ首を後方へのけぞる姿勢で痛みが増強する
*夜間に肩甲骨周囲に強い痛みを感じる
*肩から腕にかけての筋力低下
*首や肩のコリ
・頚椎症性脊髄症との見分け方
頚椎症性脊髄症とは頚椎症(椎間板の膨張・骨の棘の形成)によって頚椎の脊柱管の中にある脊髄が圧迫されて起こります。
症状は手足の感覚障害によって手先を使うのが不便になったり、歩行で脚がもつれやすくなります。
また頚椎症性脊髄症では頸部神経恨症と違って、手だけでなく足へ行く神経も圧迫されるので足にシビレや感覚障害が出ます。
脊髄と神経恨では神経が全く違います。
脊髄というのは神経の塊で脳と同じように神経の複雑なネットワークがあります。
ですから、脊髄が圧迫されると非常に重要な機能が失われる可能性があります。
それに対して神経恨というのは、その複雑な脊髄から出て行った1本の神経にすぎず、脊髄に比べて丈夫にできています。
なので症状の重さとしては頚椎症性脊髄症のほうが強いです。
・頸部神経恨症の原因
頸部神経恨症の原因として考えられるのが加齢による骨の変形です。
骨の変形に伴い棘のようになってしまったものを骨棘と言います。
この骨棘が神経を圧迫して症状が出ます。
また椎間板という骨と骨との間にあるクッションの役割をしている部分が膨隆することで神経を圧迫して症状を出します。
黒田投手のようなアスリートや体に負担の大きい仕事をされている方だと筋肉に原因がありそうです。
実は神経圧迫以外でも痛みやシビレは出ますし、首、肩周りの筋肉が固まったのが原因で症状が出ている方は多いです。
神経圧迫による症状は痛みやシビレだけでなく、麻痺も見られます。
黒田投手などのアスリートの場合は多少の感覚異常はあっても麻痺の症状(動かない、感じない)は出ていません。
なので麻痺はないが痛みやシビレ、筋力低下、感覚異常はあるという場合は筋肉が原因と考えられます。
<頸部神経恨症の治療>
頸部神経恨症の治療は神経圧迫が原因のものと筋肉が原因のものとで変わってきます。
・神経圧迫が原因の治療
頸部の安静に努め頸部を後方に反らす(上を向く)動作を控える。
重症の場合は頚椎カラーを装着してもらったりブロック注射を打ってもらい痛みを抑えます。
しかし、ブロック注射の効果は一時的なものなので治すものではありません。
手術をされる方も稀にいるみたいですが基本的には安静にして自然に回復させる保存療法が一般的です。
・筋肉が原因の治療
硬くなった筋肉が症状を出している場合は、血流を改善させる為に温熱療法や頚椎牽引、手技による筋肉ほぐしが効果的です。
一度整形外科でレントゲンを撮ってもらい、頸部の骨や関節に異常がない場合は整骨院や鍼灸院で治療を受けるのをおススメします。