整骨院に来院される患者さんに多い症状として五十型が挙げられます。
整形で治療してもらったけど治らなかったという患者さんが大半です。
そこで今回は四十肩・五十肩の原因と治療法についてまとめてみました。
<五十肩の原因>
五十肩は正式名称「肩関節周囲炎」と呼ばれます。
肩の関節周辺に付いている筋肉や腱が何らかの原因によって炎症を起こし痛みを起こしている状態をいいます。近年では腱板損傷や石灰沈着性腱板炎などの原因のはっきりしているものは五十肩に含まれず、40歳以上で明らかな原因がない肩の痛みを五十肩(又は四十肩)と呼んでいます。
五十肩の原因は、まだはっきりと分かっていませんが日常生活の行動パターンにあるだろうと言われています。
・腕を上げた状態で長時間作業をよくする
・長い期間、野球やテニスなどのスポーツで肩関節を酷使している
・姿勢が悪く(猫背)筋肉や靭帯が変な方向に引っ張られている
これらに当てはまる人は五十肩になりやすいとされています。
<五十肩の経過別治療法>
五十肩には3つの病期があり経過状態によって治療法が異なります。
・急性期:疼痛が主体で可動域制限が進行する(1か月~3か月)
急性期は動かさなくても痛く夜間痛もあり五十肩になって一番つらい時期です。
この時期は下手にストレッチをしたり治療院で揉んでもらうと炎症が強くなります。
なのでこの時期はなるべく安静にして肩関節を使わないようにして下さい。
痛みの強さによってアイシングで患部を冷やしたり(15分程)、刺激の少ない微弱電流治療器を使う治療院に通ったり、痛みが酷い時は整形外科で非ステロイド性抗炎症薬を処方してもらうのがいいでしょう。
・拘縮期:可動域制限の進行が強くなる(4か月~6か月)
拘縮期になると動かさなくても痛いという状態は減ります。
しかしある程度肩関節を動かすと痛みが起こり日常生活に支障をきたします。
この時期は肩関節の拘縮(固まって動かなくなる)が進行してしまうのでストレッチや治療院で筋肉をほぐしてもらうのが重要です。
・五十肩予防のストレッチ
バンザイストレッチ
1.座った状態でも立った状態でもいいのでタオルを肩幅くらいに開いて持ち、バンザイをします。
2.そしてそのまま体を左にゆっくりと倒していき20秒キープします。
3.今度は正面に戻して同じように右に体を倒して20秒キープします。
この1から3を3回繰り返して下さい。
肩の可動域が上がるだけではなく姿勢の改善にも繋がります。
・五十肩になってバンザイができない人のストレッチ方法
バンザイができない人は症状のある方の肩を前方、側方、後方にゆっくり挙げられるとこまで上げてください。
そして止まったところで20秒キープし元に戻して下さい。
これをそれぞれ3回繰り返して下さい。
・回復期:可動域が回復してくる(6か月~2年)
この時期になると肩を動かしても痛みが少なくなってきて完治に近づいていきます。
この時期は拘縮期から始めたストレッチを継続して行い、さらに筋力を鍛えるため肩を大きく回したり(この時肩甲骨を意識して)ラジオ体操などの全身運動をするのが良いです。
またメンテナンスとして治療院に1週間に一度の割合で通い、筋肉をほぐしてもらうのもいいでしょう。