ギックリ腰というと高齢の方が起こす疾患というイメージがあります。
しかし実際には高齢の方のギックリ腰は少なく働き盛りの20代~50代に多発しています。
今回はギックリ腰になってしまった時の対処法をまとめてみました。
<ギックリ腰とは>
ギックリ腰の疾患名は急性腰痛、椎間捻挫と呼ばれ、急激に腰部の筋肉が炎症を起こして激しい痛みを伴う状態です。
原因は様々でギックリ腰になる人の数だけ原因があると言われています。
・検査をしても異常がみられない
ギックリ腰をして整形外科で検査をしてもらっても椎間板や骨格組織に異常がみられない事が多いです。
なぜかというと直接の痛みの原因が筋肉の炎症によって起きているのでレントゲンには映らないからです。
・蓄積した筋肉疲労が原因のことも
ギックリ腰になる原因は様々と言いましたが、ギックリ腰になる人に共通するのは患部に蓄積した疲労が溜まっていることが多いということです。
疲労の蓄積した筋肉は徐々に硬く凝り固まって行き、その固まった筋肉が血液循環を邪魔する状態に変化していきます。
その結果、悪い状態になった筋肉が腰部を曲げた時などの動きによって強い炎症を起こしギックリ腰となる可能性があります。
・ヘルニアとの違い
一般的に腰部椎間板ヘルニアは片側の足に痺れ症状がでるのに対してギックリ腰には痺れ症状は出ません。
・ギックリ腰に安静は良くない?
整骨院にギックリ腰で来院される方には2~3日は安静にするように指導しています。
それは急性腰痛による筋肉の炎症が治まるのが2~3日だからです。
しかしそれ以上安静にしてしまうと逆に治りが悪くなってしまう事があります。
理由は椎間板の中央にある髄核がずれて神経に触れて痛みが起きている場合、運動すれば自然に元の位置に戻るのに対して、安静にするとずれたままになる為です。
また動かす事に対して恐怖感がある人は腰痛に対して過敏になってしまい、そのストレスで血液循環が悪くなり治りが悪くなることも考えられます。
<ギックリ腰対処法>
・発症後2~3日間
発症直後はまずアイシングをして下さい。
患部に氷嚢、なければビニール袋に氷を入れたものを当てる。
お薦めなのが最近100均やホームセンターにも売ってある冷やしても固まらないジェル状の保冷材です。
1回につき15分あて、それを6時間おきくらいに繰り返すのが理想です。
そしてアイシングを続けながら安静にして下さい。
また治療院に通い患部以外の緊張した筋肉をほぐしてもらい、患部には刺激の少ない微弱電流治療をあてて自然治癒力を回復させるのも早期治療に効果的です。
テーピングやコルセットで固定するのも安静に役立ちます。
・発症後3日~
発症後、筋肉の炎症が落ち着いてきたら動かせる範囲で運動していきましょう。
軽めのウォーキングから始め、徐々にスピードや距離を増やしていきます。
ストレッチも痛みがでない程度に行なって下さい。
コルセットはなるべく外すようにして下さい。
仕事などで患部に負担をかける方はその時だけコルセットをして下さい。
痛みが完全に治まっても、なるべくウォーキングやストレッチを続けるようにして下さい。
筋肉が柔軟になり再度ギックリ腰になるのを予防してくれます。