たまに下肢静脈瘤の患者さんから足を揉んでもいいのかという質問を受けることがあります。
結論から言えば、揉んでもいいが直接血管を揉むのは危険なのでやめた方がいいです。

下記にて説明していきます。

<下肢静脈瘤とは>

下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が壊れてしまう血管の病期です。
症状は足の血管がボコボコ浮き出ている、皮膚の黒ずみ、むくみなどが見られます。

心臓から送り出された血液は動脈を通って足先まで流れます。
そして、足で使われた血液は静脈を通って心臓に戻ります。
ところが、下肢静脈瘤の状態では一部の静脈で血液が足に逆流して戻ってしまいます。

このため、足がうっ血して上記のような症状が出てしまいます。

・下肢静脈瘤の原因

足の静脈に流れる血液は、弁があるので立った状態でも重力に逆らって上の方向にだけ一方通行で流れます。

しかし、長時間の立ち仕事や筋力の低下などにより足の静脈の弁に負担がかかると静脈の弁が壊れてしまいます。
弁が壊れると立った状態では静脈は逆流してしまい、そのため下流の静脈には圧がかかって静脈瘤ができてしまいます。

<下肢静脈瘤は揉んでいいの?>

直接血管を揉むのは危険なのでやめて下さい。
血管が弱くなっていると出血することもありますし、血管の中の血の塊が流れて行って、肺や脳の血管を詰まらせると命に係ることもあります。

・静脈瘤以外の場所をやさしく揉む

下肢の表面に出ている血管はすべて静脈なので直接触れないように足先から心臓にかけて、やさしくさすり上げるように揉んであげて下さい。

座って、ふくらはぎを両手のひらで、さするように心臓に向けてマッサージします。
軽めの力で手のひら全体が皮膚に密着するようにマッサージして下さい。

毎日、寝る前や入浴時に3分ほど行うと効果的です。

足のマッサージで下肢静脈瘤の悪化を予防したり、症状を改善できるので悩んでいる方は是非やってみて下さい。