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子供の頃、転んで擦り傷や切り傷をよくしませんでしたか?
大人になってもスポーツや仕事で手などを切ることはあると思います。
昔なら消毒しとけば、すぐ治ると思われていましたが、実は逆に悪化させる原因になります。

今回は擦り傷・切り傷治療の新常識について説明していきます。

<なんで消毒したらダメなの?>

本来人間は怪我をしたら自然に治そうする「自己治癒力」を持っています。
切り傷などで出血した場合、血液の成分である血小板が働いてくれます。

血小板はサイトカインという物質を分泌し、これが血管から白血球やマクロファージといった滲出液を分泌させます。
これらが傷口の細菌や汚染物質を除去してくれるのです。
なので消毒してしまうと、ばい菌と一緒にこれらの傷を治す細胞まで殺菌してしまうため治りが遅くなります。

<擦り傷・切り傷の対処法>

1.きれいな水でしっかり洗い流す

まず細菌感染を防ぐために、きれいな水で洗い流します。
これによって、ほとんどの細菌が洗い流されて消失します。

2.止血する

出血がおさまらない場合はガーゼなどで直接抑え、しばらく圧迫します。
その後、怪我をした部位を心臓より高い位置に持っていきます。
これによって患部の血圧を下げ、出血を抑えることができます。

3.乾燥を防ぐため傷をラップなどで覆う

以前は怪我をしたら絆創膏を貼って傷口を乾かして、かさぶたを作り、治すのが主流でした。
しかし、現在では傷を治してくれる滲出液を保持するために乾燥させないのが主流になりました。

理想では市販でも売っている創傷被覆材を使うのがベストです。
しかし、緊急時には家庭に必ずあるサランラップなどでも十分役立ちます。

<病院に行くべき怪我は?>

以下の場合は病院で診断を受けてください。

・出血がひどく、なかなか止まらない

・傷が化膿している

・深い刺し傷や切り傷がある

・動物に噛まれた(狂犬病の可能性あり)

・汚染が強い場合(破傷風の可能性あり)

 

<最後に>

以前であれば傷口に消毒してカット絆を貼って置けば傷は自然に治るものだと思われていました。
しかし、現在では消毒したり乾燥させると人間の持つ自然治癒力を阻害してしまう事がわかっています。
あのグロテスクな傷口のジュクジュクが傷の治りを速くしてくれるのです。
擦り傷・切り傷には正しい処置を行い治していきましょう。